VOL.2  市民が参加する街づくり

 魅力ある八戸市をつくるためには、子供から老人まで市民一人一人が誇りと愛着を持って生活できる場を創造することであり、市民と市との共同で行わなければならない。特に、その地域や地区を生活の場とする市民が身近な環境の形成や施設の管理・運営に果たすべき役割はきわめて大きく、例えば、町内会による清掃・公園の草刈りなど市民目らが生活環境を望ましい状態に保ったり、より良くするために努力している。しかし、八戸市でも人口移動で他所からの転入に伴ない伝統的な地縁社会が崩壊し、生活共同体としての意識が欠ける一方で、街づくりについても行政に依存し、自らの手で自らの生活空間を創り出す意欲が不足していたことはいなめない。しかし、近年、経済が高度成長から安定成長へと推移し、人口移動の沈静化や自由時間の増大が進むにつれて国民の意識も、物質的な豊かさから生活の質の豊かさへと価値観も変化し多様化するなど、街づくりへも市民が積極的に参加する自治体が増えている。
 では八戸市でも市民が街づくりに参加するためには何か必要なのだろうか。

 ★ 街づくりに市民が参加するためには ★

(1)自分の街に関心を持つこと
 まず、自分の街に関心を持たなければ始まらない。画一化に対する反省、そこに八戸らしさへの関心が生じてくるたるう。関心を生ずるのには、何かのきっかけがある。私の場合は、盛岡・仙台・横浜・神戸などの都市に接してカルチャーショックを受けた。そのためにも旅や雑誌などで他市を知ることも必要ではないだろうか。

(2)八戸らしさを発見すること
 八戸らしい個性がある。この個性が何か考えてみよう。八戸に長く生活していると、八戸らしさを見失いがちである。そのためにも旅をして他の都市を知り、ヒントを得ることも必要である。そして山・川・海・建築物・橋・樹木・祭り・船・料理・地酒などにも八戸らしさを発見できるであろう。その他にも、八戸の自然や歴史から学んでいくのも一つの方法ではなかろうか。

(3)街の美しさを自覚・評価すること
 八戸あしたの街委員会「八戸百景」などで八戸らしさを再発見できることができた。市民にとってかけがえのないものであることを自覚させ"おれたちの街にも美しい所がまだまだあった"と再評価することも必要である。新井田川を自分たちの川だと自覚すれば、水はもっときれいになると思う。堤防も必要かもしれないが、もっと市民的な川になっていたのではなかろうか。そこにあるというたけではなく、市民が自覚し評価することによって、同じものが個性としてよみがえってくるのではなかろうか。

(4)建築物を保全・修復すること
 具体的な個性として発見し自覚されたものには、そのままでは見すぼらしかったりしているものもある。旧旭商会、河内屋など時の流れのなかで変ってゆく建築物は、どのようにして保全し、修復してゆくか。また現代に、どのように生かして利用するのかは市民一人一人の課題ではないだろうか。

(5)都市景観の構成
 都市景観を構成する建築物や自然などは、それが全体との関係のなかでどう構成されているかが重要である。例えば、八戸市都市景観賞として評価された建築物も一棟だけでは街の景観としては貧弱である。その建築物を中心に地区として、緑やストリートファニチャーなどの各要素で構成することが必要ではなかろうか。

(6)八戸市の未来を創造すること
 八戸市を将来どういう街にしたいのか―を考えることは重要である。そのことによって、新しい八戸らしさをつくりだしていこうとする姿勢や行動が生まれるからである。新しいものは未来のための歴史をつくっていくのであり、新たな創造ではなかろうか。

(7)生き生きしていること
 湊町の朝市は、八戸らしい風景でもある。それは、生き生きして働く表情として市民のなかで生きた意味をもっているためである。一建物をつくったら個性的になるのではなく、その生活風景が生き生きしていれば八戸らしさの一つになるのではなかろうか。

 ★ 行政と市民が協同して街づくりを ★

 市民が街づくりに関心を持っていても、参加を促し、支えるのは行政であり、情報の提供や助成・市民との対話・仕組みが必要である。
 また、都市景観賞は設けられているが、その他にも、花壇コンクール・生垣コンクール・デザインコンペなども積極的に行ない、「八戸街づくり市民委員会」などを設置し、行政と市民が手をとりあって協同して街づくりを進めていくことが必要である。
 なによりも、子どもらを将来の街づくりの担い手として育てるために、地域学習・環境教育の充実を図り、街づくりへの関心を高める機会を増やすことが望まれる。

 ★ 魅力ある街をつくる「七つの目標」 ★

 だれもが八戸は魅力あるまちで、住みよい街にしたいと願っている。住民一人一人の創意工夫とその蓄積から、街づくりが始まる。どうすれば八戸は、住みよい街になるのか―を考えるためには市民と市が共通の認識を持ち、八戸市のイメージを共有できてわかりやすい目標が必要である。

1. 地形の特徴を生かす
2. 街の中に緑を増やす
3. 水辺をもとめる
4. 歴史を大切にする
5. 楽しく歩ける道
6. 街に広場をつくる
7. 街並みを整える

 この七つの視点は、都市の中において本来人間の根源的な要求に根ざしていながら、現代社会の複雑な仕組みの中で見落とされがちな価値である。この価値が市民一人一人まで浸透され広範な支持を受け、八戸市のまちづくりに生かされることを望みます。そして一度この価値で八戸市の街づくりをチェックしてみよう。地形の特徴が生かされているか。段丘をブルドーザーで平坦にしてしまって眺望できるところを無くしていないか。街の中に緑を本当に増やそうとしているか。海や河川などの水辺をどのように考えているのか。歴史ある建造物や古木などを大切にし、保存や再生をしているか。歩道は楽しく歩けるのか、電柱などで迷惑していないか。街に広場が増えているか、どう考えているのか。街並みが整っているのかどうか。そのように自問自答することによって住んでいるまちに関心がもて、21世紀に向けてわが街も魅力ある住みよい街になるのではなかろうか。


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